教場シリーズの読む順番は?
長岡弘樹さんの小説『教場』シリーズ読む順番まとめ。
映画『教場』が2026年公開予定。
①教場
②教場2
③教場0 刑事指導官・風間公親
④風間教場
⑤教場X 刑事指導官・風間公親
⑥新・教場
⑦新・教場2
最新刊は『新・教場2』。
単行本が2025年8月6日発売。
教場シリーズのあらすじは?
①教場
君には、警察学校をやめてもらう。
この教官に睨まれたら、終わりだ。全部見抜かれる。誰も逃げられない。
警察学校初任科第九十八期短期過程の生徒たちは、「落ち度があれば退校」という極限状態の中、異色の教官・風間公親に導かれ、覚醒してゆく。
必要な人材を育てる前に、不要な人材をはじきだすための篩、それが警察学校だ。
②教場2
第一話 創傷(そうしょう)
初任科第百期短期課程の桐沢篤は、風間教場に編入された不運を呪っていた。医師から警察官に転職した桐沢は、ゴールデンウイーク明けに最初の洗礼を受ける。
第二話 心眼
風間教場では、備品の盗難が相次いでいた。盗まれたのは、PCのマウス、ファーストミット、マレット(木琴を叩く枹)。単独では使い道のないものばかりだ。
第三話 罰則
津木田卓は、プールでの救助訓練が嫌でたまらなかった。教官の貞方は屈強な体格のスパルタ教師で、特に潜水の練習はきつい。本気で殺されると思ってしまうほどだ。
第四話 敬慕
菱沼羽津希は、自分のことを初任科第百期短期課程のなかでも特別な存在だと思っている。広告塔として白羽の矢が立つのは、容姿に秀でている自分なのだ。
第五話 机上
仁志川鴻は、将来の配属先として刑事課強行犯係を強く希望している。元刑事だという教官の風間には、殺人捜査の模擬実習を提案しているところだ。
第六話 奉職
警察学校時代の成績は、昇進や昇級、人事異動等ことあるごとに参照される。美浦亮真は、同期で親友の桐沢篤が総代候補と目されるなか、大きな試練に直面していた。
③教場0 刑事指導官・風間公親
T県警では、各署に所属するキャリア三か月の刑事の中から一名が選ばれ、定期的に本部に送られる。「風間道場」と呼ばれる刑事育成システムだ。待ちうけるのは指導官・風間公親によるマンツーマン指導。殺人事件の現場を風間とともに捜査しながら、三か月間みっちり指導を受ける。卒業生はエース級の刑事として活躍しているが、見込みがなければ交番勤務に戻されると噂される。後のない新米刑事たちは、背水の陣で事件に臨む!
④風間教場
必要な人材を育てる前に、不要な人材をはじき出すための篩。それが、警察学校だ。警察学校第百二期短期課程の教官を務める風間公親は、警官の資質なしと見なした生徒には、容赦なく退校を命じる鬼として知られていた。その風間に校長の久光が命じたのは、「退校者ゼロ」の模範教場を作ることだった。妊娠する女生徒も現れるなか、風間はミッションをクリアできるのか!?
⑤教場X 刑事指導官・風間公親
二度のSPドラマ化で熱狂!「教場」最新作
●第1話 硝薬の裁き
益野紳佑の妻才佳は、半年前、車にはねられ亡くなった。事故の唯一の目撃者は娘の麗馨だった。警察は幼い麗馨の証言を採用せず、犯人とされた男は不起訴となっていた。
●第2話 妄信の果て
大学四年生の戸森研策は、地元新聞社から内定を得た。ゼミ論文の単位が取得できれば卒業も確定する。前途洋々の戸森のもとへ、担当教授から突然の連絡が入る。
●第3話 橋上の残影
経理事務の仕事をしている篠木瑤子は、十年前に恋人を自死により失っている。その死の原因となった男は刑期を終え、娑婆でのうのうと暮らしていた。
●第4話 孤独の胎衣
短大生の萱場千寿留は工芸家の浦真幹夫と関係を持ち、妊娠した。浦真は中絶費用を渡し、海外に旅立ったが、千寿留は新しい生命の誕生を待ちわびていた。
●第5話 闇中の白霧
名越研弥は、闇サイト経由で違法な薬物や商品を仕入れ、莫大な冨を得た。そろそろ足を洗いたいのだが、相棒の小田島澄葉を説得できずにいた。
●第6話 仏罰の報い
著名な有機化学者である清家総一郎は実験中の事故で両目に劇薬を浴び、一線を退いた。隠棲生活を送る清家の悩みの種は、娘・紗季の夫の素行だった。
⑥新・教場
最恐教官・風間公親の初陣!新章始動!
第一話 鋼のモデリング
風間公親は、警察学校第九十四期初任科短期課程の教官となった。助教の尾凪尊彦は、気になる生徒として、人命救助で警察に表彰されたことのある矢代桔平の名を挙げた。
第二話 約束の指
実家が町工場を営む笠原敦気は、マル暴刑事を希望している。クラブ活動ではソフトボールに力を入れ、元高校球児の助教・尾凪から手ほどきを受けているが、スローイングに難があった。
第三話 殺意のデスマスク
若槻栄斗は、ブラジリアン柔術の有段者。交番実地研修中に、通り魔を逮捕した若槻に、風間は現場の再現を命じる。
第四話 隻眼の解剖医
警察学校では課外授業として司法解剖を見学する。不快指数が高いと、犯罪が起きやすい。七月に入り、生徒の大半が嘔吐する講習が近づいていた。
第五話 冥い追跡
星谷舞美は性格が明るく、成績もトップクラスである。星谷と大学同窓の石黒亘は、下位から成績を上げてきた。卒配後は成績上位二名が最重要署のA署に仮配属となる。
第六話 カリギュラの犠牲
氏原清純はソリの合わない同期・染谷将寿と、卒業式のスライド上映担当を任された。当日、風間は祝辞の読み上げをやめ、最終講義を始める。
⑦新・教場2
「教場」映画プロジェクト原作!最新刊!
第一話 会意のトンネル
郷村秀初は、体格に優れた14歳年上の同期、岩国禾刀に何かと助けられていた。岩国は、郷村の母の中学時代の後輩だという。第二話 不作為の鏡
成瀬幹人は、醜形恐怖症のため、一度鏡を見てしまうと離れられなくなる。招集に遅れることも多く、連帯責任を取らされる同班の若浦と宝条から苦情を言われていた。第三話 遺恨の経路
木下百葉は、同じ教場の真鍋辰貴と交際している。真鍋は一月前まで同期の洞口亜早紀と付き合っていた。真鍋と百葉はクリスマスに会う約束をしているが、その前に犯罪捜査のペーパーテストがある。第四話 犯意の影法師
南郷玲司と来栖研心は「警察学校生研究発表会」の予選にT県警代表として出場することになった。全国大会に進めれば卒配後はAランクの署に配属される。第五話 黒白の極性
細沼理仁は、パチンコに大ハマりして同期に借金までしてしまった。軍資金を吐き出した土曜、ひったくり事件に遭遇する。第六話 金盞花の迷い
卒業式が近づき警察学校では総代争いが激化していた。追掛冬和子はそのトップを走っているが、ライバルで新聞ベタ記事マニアの戌塚に図書室へ呼び出される。【編集担当からのおすすめ情報】
主演 木村拓哉
「教場」映画、プロジェクト始動!
脚本 君塚良一 監督 中江功
2026年、風間公親ふたたび!刑事指導官・風間公親を急襲し、右目から光を奪った“千枚通しの男”十崎波瑠が、「風間道場」門下生の刑事達の手によって逮捕された。警察学校長の四方田は、風間の門徒である現役バリバリの刑事を月に一度「風間教場」に招き、特別講義を行ってもらうという新たなカリキュラムを提案する。
教場シリーズの読書感想
教場シリーズの主人公、風間公親は教官。
警官候補生たちの警官としての適性を見抜く役割です。
教場は適性のない人間を排除する面もあり、普通の学校とは違う独特の緊張感があります。
①教場
第5話異物で展開されるスズメハチ恐怖症の由来求久の話が面白かったです。
ここはな、たしかに篩(ふるい)だ。だがその逆でもある。残すべき人材だと教官が判断すれば、マンツーマンで指導しても残してやる。そういう場所だ
スズメバチを前にたじろぐ由良に、足にギブスを嵌めた風間教官が人を傷つけた経験のある者ほど良く人を守れるとと諭すところは名シーン。
力技で克服させるようというのは見せかけで、きっちり理屈でサポートしている辺りも好感触でした。
②教場2
最後を締める美浦のエピソードが一番印象に残りました。
美浦と風間教官のボクシングと護身術の特別講習の描写は熱が籠っていて、最後まで読んだうえでもう一度読みたくなるシーンでした。
退校宣告を出しても最後の最後まで生徒をちゃんと見ているところが風間流で目が離せませんでした。
風間教官の奉職の理由も含めて爽やかな読後感を残す内容でした。
③教場0 刑事指導官・風間公親
風間道場時代の過去編。
やはり最後の話が衝撃的で何度も読み直してしまいます。ついに、風間の右目が義眼である理由が明かされます。
刑事や警官をやっていればこういう事に遭う可能性はあるのでしょうが・・・クールすぎる風間の対応とは裏腹に読んでいるこっちが苦い思いをする。
過去編という時点で覚悟はしていましたが、想像以上に痛々しい描写で驚きました。
④風間教場
退校者を出してはならないという新校長の光久からのお達しはあるものの風間流は相変わらずといったところ。
教場では生徒だった宮坂が世話係。教場0で刑事として登場した平優羽子が助教に。
二人が加わったこともあって風間を含めて教師側の描写が多めになっています。
教場0を読んでいると平助教が教場に赴任してきた理由というのは何となく察せられます。直接的な描写は見当たりませんでしたが、例の事件は解決したからここに来たと個人的には解釈しました。
前作までの厳しさや緊張感みたいなものが弱まって、人間に対する共感に重きを置くような描写が多い印象です。これは平助教の影響かもしれません。
また、新人警官たちの若々しさとは別に、老いを感じさせる描写もあります。
あくまで青春小説的なモノを求める人には退屈かもしれませんが・・・個人的にはシリーズとしての深みが増したように感じられて興味深く読むことができました。