あさのあつこ「弥勒の月」弥勒シリーズ読む順番【野火、奔る】

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弥勒シリーズの読む順番は?

あさのあつこさんの小説「弥勒の月」シリーズ読む順番まとめ。

弥勒シリーズの読む順番
①弥勒の月
②夜叉桜
③木練柿(こねりがき)
④東雲の途(しののめのみち)
⑤冬天の昴
⑥地に巣くう
⑦花を呑む
⑧雲の果(くものはたて)
⑨鬼を待つ
⑩花下に舞う
⑪乱鴉の空(らんあのそら)
⑫野火、奔る

以上、刊行順に並べました。

累計110万部突破の「弥勒シリーズ」。

最新刊は「野火、奔る」。

単行本が2023年10月25日発売。

弥勒シリーズのあらすじは?

①弥勒の月

弥勒の月 (光文社時代小説文庫) (日本語) 文庫 – 2008/8/7
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小間物問屋・遠野屋(とおのや)の若おかみ・おりんの水死体が発見された。同心・木暮信次郎(こぐれしんじろう)は、妻の検分に立ち会った遠野屋主人・清之助(せいのすけ)の眼差しに違和感を覚える。ただの飛び込み、と思われた事件だったが、清之助に関心を覚えた信次郎は岡っ引・伊佐治(いさじ)とともに、事件を追い始める……。“闇”と“乾き”しか知らぬ男たちが、救済の先に見たものとは? 哀感溢れる時代小説!

②夜叉桜

夜叉桜 (光文社時代小説文庫) (日本語) 文庫 – 2009/11/10
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江戸の町で女が次々と殺された。北定町廻(きたじょうまちまわ)り同心の木暮信次郎(こぐれしんじろう)は、被害者が挿していた簪(かんざし)が小間物問屋主人・清之介の「遠野屋」で売られていたことを知る。因縁ある二人が再び交差したとき、事件の真相とともに女たちの哀しすぎる過去が浮かび上がった。生きることの辛さ、人間の怖ろしさと同時に、人の深い愛を『バッテリー』の著者が満を持して描いたシリーズ第2作。

③木練柿(こねりがき)

木練柿 (光文社時代小説文庫) (日本語) 文庫 – 2012/1/12
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胸を匕首(あいくち)で刺された骸(むくろ)が発見された。北定町廻(きたじょうまちまわ)り同心の木暮信次郎が袖から見つけた一枚の紙、そこには小間物問屋遠野屋の女中頭の名が。そして、事件は意外な展開に……(「楓葉の客」)。表題作をはじめ闇を纏う同心・信次郎と刀を捨てた商人・清之介が織りなす魂を揺する物語。時代小説に新しい風を吹きこんだ『弥勒の月』『夜叉桜』に続くシリーズ第3巻、待望の文庫化。

④東雲の途(しののめのみち)

東雲の途 (光文社時代小説文庫) (日本語) 文庫 – 2014/8/7
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橋の下で見つかった男の屍体の中から瑠璃が見つかった。探索を始めた定町廻り同心の木暮信次郎は、小間物問屋の遠野屋清之介が何かを握っているとにらむ。そして、清之介は自らの過去と向き合うため、岡っ引きの伊佐治と遠き西の生国へ。そこで彼らを待っていたものは……。著者がシリーズ史上ないほど壮大なスケールで描く「生と死」。超絶の「弥勒」シリーズ第4弾。

⑤冬天の昴

冬天の昴 (光文社時代小説文庫) (日本語) 文庫 – 2016/11/9
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北町奉行所定町廻り同心、木暮信次郎の同僚で本勤並になったばかりの赤田哉次郎が女郎と心中した。その死に不審を抱いた信次郎は、独自に調べを始めた矢先、消息を絶つ。信次郎に仕える岡っ引の伊佐治は、思案に暮れた末、遠野屋清之介を訪ねる。次第に浮かび上がってきた事件の裏に潜む闇の「正体」とは――。あさのあつこの代表時代小説シリーズ、待望の第五弾!

⑥地に巣くう

地に巣くう (光文社時代小説文庫) (日本語) 文庫 – 2018/2/8
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北町奉行所定町廻り同心、木暮信次郎が腹を刺された。信次郎から手札を預かる岡っ引の伊佐治、信次郎と旧知の小間物問屋・遠野屋清之介に衝撃が走る。襲った男は遺体で大川に上がる。背後で糸を引く黒幕は何者なのか。深まる謎のなかで見えてきたのは、信次郎の父親・右衛門の衝撃の「過去」だった――。あさのあつこの代表時代小説シリーズ、衝撃の第六弾!

⑦花を呑む

花を呑む (光文社時代小説文庫) (日本語) 文庫 – 2019/2/8
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「きやぁぁっ」老舗の油問屋で悲鳴が上がる。大店で知られる東海屋の主が変死した。内儀は、夫の口から牡丹の花弁が零れているのを見て失神し、女中と手代は幽霊を見たと証言した。北町奉行所の切れ者同心、木暮信次郎は探索を始めるが、事件はまたも“仇敵”遠野屋清之介に繋がっていく……。肌を焦がす緊張感が全編に溢れる、人気シリーズ待望の第七弾。

⑧雲の果(くものはたて)

雲の果 (光文社時代小説文庫) (日本語) 文庫 – 2020/2/5
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小間物問屋〈遠野屋〉の元番頭が亡くなった。その死を悼む主の清之介は、火事で焼けた仕舞屋で見つかった若い女が殺されていたと報される。亡くなった女の元にあった帯と同じ作りの鶯色の帯が番頭の遺品から見つかり、事件は大きく展開する。北町奉行所定町廻り同心の木暮信次郎と“仇敵”清之介が掴んだ衝撃の真相とは――。緊張感溢れるシリーズ第八弾。

⑨鬼を待つ

飲み屋で男二人が喧嘩をした。一人は大怪我、殴った男は遁走の果てに首を吊った。町方にすれば“些末な”事件のはずだった。しかし、怪我を負った男が惨殺されたことから事態は大きく展開し、小間物問屋〈遠野屋〉の主・清之介の周囲で闇が蠢く。北町奉行所定町廻り同心の木暮信次郎と岡っ引の伊佐治が辿り着いた衝撃の真相とは――。一気読みのシリーズ第九弾。

⑩花下に舞う

口入屋の隠居と若女房が殺された。北定町廻り同心、木暮信次郎は、二人の驚愕の死に顔から、今は亡き母が洩らした「死の間際、何を見たのであろうか」という意味不明の呟きを思い出す。謎めいた事件と才知にたけた女性であったと知る母の過去。岡っ引の伊佐治、商いの途に生きようと覚悟する遠野屋清之介。得体の知れない危うさに呑み込まれていく男たち。江戸に蔓延る闇を暴く、待望の「弥勒」シリーズ最新作!

⑪乱鴉の空(らんあのそら)

北町奉行所定町廻り同心の木暮信次郎の姿が消えた。奉行所はおろか屋敷からも姿を消し、信次郎から手札を預かる岡っ引きの伊佐治は、大番屋に連れていかれる。伊佐治の解き放ちに奔走した小間物問屋『遠野屋』主・清之介は伊佐治と二人で信次郎を捜し始める。一方、北町奉行所に不審な者の影が。最後に待っている衝撃のラスト! 100万部突破シリーズ、驚愕の第十一弾。

⑫野火、奔る

小間物問屋『遠野屋』の主、清之介は、嵯波の紅花産業に莫大な金を注ぎ込んできた。その紅餅を積んだ船が突然消えた。さらに奉公人のおちやにも騒動が起きる。事件が続くことに北定町廻り同心、木暮信次郎と岡っ引、伊佐治は不審に思う。次々と『遠野屋』に降りかかる不穏な動き、清之介に纏わりつく、血の臭い、底なしの闇。ニヒルな同心信次郎、元刺客の商人清之介。尋常ならざる男と男がうねり合う「弥勒シリーズ」第12弾!

弥勒シリーズの読書感想

狂気を胸に秘め奉行所同心として生きる信次郎、誰にも言えない過去を持つ遠野屋清之介、人間の心の闇を観察する岡っ引き・伊佐治。

この三人がメインとなって繰り広げられる時代小説。

前作バッテリーとは全く違うジャンルですが、心理描写に定評のある作者ならではのタッチで引き込まれます。

①弥勒の月
妻のおりんを失った商人、遠野屋清之介の正体については何となく察しがつくのですが・・・一連の事件の犯人は?というところは最後まで分からず悶々としながら読みました。

最後まで読むと清之介の想いや決意の固さが理解でき、不可解な部分が溶けてなくなるような感じがしてスッキリしました。

おりんの事件の真相に対してのやるせない気持ちも確かにあるのですが読後感はそれ程悪くはなかったです。

裏の事情を踏まえた上でもう一度読み直すのも良さそうですね。

③木練柿(こねりがき)
表題の木練柿はおこまちゃんが攫われる事件。守るべき大事なものができてしまった遠野屋清之介はこういう状況でも覚悟を守れるのか・・・彼にとって大きな試練となりました。

一番印象的だったのはおっかさんと清之介との会話。過去を告白し、おりんのことでつい口走ってしまった一言で頬を叩かれてしまう清之介。

「生まれて初めて、母親に打たれました」

重苦しい話が続く中、ふと光明がみえるような静かだけど暖かい描写で心が癒されました。

④東雲の途(しののめのみち)
兄とその政敵である今井の争いに巻き込まれ生国に戻ることになった清之介。

「わたしの生国は江戸より西に百四十里あまり、内海に面した小藩です。」

旅の同伴は伊佐治親分。

今回は彼の視点や心理描写が多めになったいるところに新鮮さを感じました。

最後は商人らしい機転の利いた方法で清之介が問題を解決して見せます。晴れ晴れとした読後感が得られる作品でした。

⑤冬天の昴
木暮信次郎の同僚の赤田が女郎と心中した事件から物語が始まることもあって、今回は信次郎の描写が多い感じでした。

前作に続き生国と兄のことを完全に振り切れない清之介も人間味があって良いですね。

⑦花を呑む
信次郎が幽霊のトリックを暴くシーンはコミカルで面白かったです。

犯人がどうしようもない悪党というところも印象的でした。

⑧雲の果(くものはたて)
遠野屋の元番頭喜之助が亡くなることから始まる一連の事件。

心理描写だけでなく、謎解きにも力が入っていて最後まで気が抜けない物語でした。

お世辞にも後味が良いとは言えない幕引き。

清之介とお芳、鏡合わせのような商人の行く末。二人の違いって何だろうと読後に考えさせられる・・・そういった余韻をもたらす一冊でした。