黒川博行「疫病神」シリーズ文庫本読む順番【泥濘】

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疫病神シリーズの読む順番は?

黒川博行さんの小説「疫病神」シリーズ読む順番まとめ。

疫病神シリーズの読む順番
①疫病神
②国境
③暗礁
④螻蛄(けら)
⑤破門
⑥喧嘩(すてごろ)
⑦泥濘(ぬかるみ)

現在7巻まで刊行されています。

最新刊は「泥濘」。

文庫本は2021年6月発売。

疫病神シリーズのあらすじは?

①疫病神

疫病神 (新潮文庫)
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建設コンサルタント・二宮啓之が、産業廃棄物処理場をめぐるトラブルに巻き込まれた。依頼人の失踪。たび重なる妨害。事件を追う中で見えてきたのは、数十億もの利権に群がる金の亡者たちだ。なりゆきでコンビを組むことになったのは、桑原保彦。だが、二宮の〈相棒〉は、一筋縄でいく男ではなかった――。関西を舞台に、欲望と暴力が蠢く世界を描く、圧倒的長編エンターテインメント!

②国境

国境 上 疫病神シリーズ
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信者五百万人を擁する伝法宗慧教寺。その宗宝『懐海聖人絵伝』をめぐるスキャンダルに金の匂いを嗅ぎつけた、相性最悪の二人組、自称建設コンサルタントの二宮とイケイケ経済ヤクザの桑原。巨大宗派の蜜に群がる悪党どもは、腐敗刑事、新宿系極道、怪しい画廊の美人経営者。金満坊主から金を分捕るのは誰か。東京まで出張った最凶コンビの命運は? 人気シリーズ「疫病神」第2弾。

③暗礁

暗礁〈上〉 (幻冬舎文庫)
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疫病神・ヤクザの桑原保彦に頼まれ、賭け麻雀の代打ちを務めた建設コンサルタントの二宮啓之。利のよいアルバイトのつもりだったが、その真相は大手運送会社の利権が絡む接待麻雀。運送会社の巨額の裏金にシノギの匂いを嗅ぎつけた桑原に、三たび誑し込まれる契機となった―。ベストセラー『疫病神』『国境』に続く人気ハードボイルド巨編。

④螻蛄(けら)

螻蛄(けら)―シリーズ疫病神 (新潮文庫)
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信者五百万人を擁する伝法宗慧教寺。その宗宝『懐海聖人絵伝』をめぐるスキャンダルに金の匂いを嗅ぎつけた、相性最悪の二人組、自称建設コンサルタントの二宮とイケイケ経済ヤクザの桑原。巨大宗派の蜜に群がる悪党どもは、腐敗刑事、新宿系極道、怪しい画廊の美人経営者。金満坊主から金を分捕るのは誰か。東京まで出張った最凶コンビの命運は?

⑤破門

破門 (角川文庫) (日本語) 文庫 – 2016/11/25
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「わしのケジメは金や。あの爺には金で始末をつけさせる」
映画製作への出資金を持ち逃げされた、ヤクザの桑原と建設コンサルタントの二宮。失踪したプロデューサーを追い、桑原は邪魔なゴロツキを病院送りにするが、なんと相手は本家筋の構成員だった。禁忌を犯した桑原は、組同士の込みあいとなった修羅場で、生き残りを賭けた大勝負に出るが――。
第151回直木賞受賞作にして、エンターテインメント小説の最高峰「疫病神」シリーズ!

⑥喧嘩(すてごろ)

喧嘩 (角川文庫) (日本語) 文庫 – 2019/4/24
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ヤクザ絡みの依頼を請け負った二宮がやむを得ず頼ったのは、組を破門された桑原だった。議員秘書と極道が貪り食う巨大利権に狙いを定めた桑原は大立ち回りを演じるが、後ろ盾を失った代償は大きく――?

⑦泥濘(ぬかるみ)

「待たんかい。わしが躾をするのは、極道 と半グレと、性根の腐った堅気だけやぞ」
疫病神シリーズの名コンビ、桑原と二宮の 今度の標的は警察官OBが作る自称・親睦団体の「警慈会」。
老人ホームにオレオレ詐欺……。
老人を食い物にする腐り切った警察OBに二人は挑むが、二宮は拉致、桑原は銃撃を受け心肺停止になってしまう。

疫病神シリーズの最新刊は?

疫病神シリーズの最新刊は7作目となる「泥濘」。

最新刊の「泥濘」は2021年6月に文庫化されています。

文庫版では2作目の「国境」と3作目の「暗礁」が上下巻の構成になっています。
2014年に直木賞を受賞した「破門」はシリーズ5作目となります。

疫病神シリーズのドラマ・映画

疫病神シリーズはドラマ化、映画化もされています。

BSスカパーのオリジナルドラマとして 2015年に「破門」、2016年には「螻蛄」が放映されました。

映画は2017年

直木賞を受賞した「破門」が映画化されました。

タイトルは「破門 ふたりのヤクビョーガミ」。

映画版メインキャスト

桑原保彦:佐々木蔵之介
二宮啓之:横山裕

疫病神シリーズの大阪弁

疫病神シリーズといえば「大阪弁」。

一括りに関西弁といっても地方によって全く言葉使いは違うわけで・・・。

大阪のコアな部分を全開にしてしまった独特のノリは一周回って癒しになります。

関西に住んだことがない人にとっては外国語みたいで面白い?かもしれません。

いずれにせよ、ヤクザものドラマや映画が好きな方には大変お薦めです。

疫病神シリーズの読書感想

①疫病神

記念すべき疫病神シリーズの第一弾。

主人公とはいえ妙にヤクザの扱いに慣れていて肝の座っている二宮がミステリアスな存在に映ります。

二宮の正体が分かった後、桑原の対応がちょっとだけマシになるところが見どころでしょうか。

産業廃棄物処理場を巡る謎解き要素は結構複雑。

わざわざ図に書いて説明してくれているページもあるのですが・・・登場人物が多くて途中で誰が誰だか分からなくなるのが玉に瑕のように感じました。

⑤破門

出資者から集めた金を持って愛人の玲美と失踪した小清水を捕獲した後のやり取りが面白い。言ってること全部嘘の小清水を丸め込んで全部吐かせる桑原の勢いとテクニック。

「堪忍です。あの金がなくなったら、わしは終わりです」
「勝手に終わらんかい。極道を虚仮にしてタダで済むと思たんか」

ちょっとツッコミ入れながら脅しも入れる桑原らしさが終始ツボでした。

話のオチについてはタイトルから予見できるものなので驚きはありませんでしたが、後編となる喧嘩でどうやって巻き返すのかが気になる引きでした。

⑥喧嘩(すてごろ)

国会議員の西山、その政策秘書黒川、府議会議員の蟹裏と食えない悪党のオヤジたちが登場。

政治家もヤクザも大して変わらない・・・というところが面白い。喜んでいいのか分からないところですが。

鳴友会構成員との喧嘩が見どころ。堅気になったくらいではこの男は止まらない。

「頭の中の赤い糸がプチっと切れた。桑原さんがどれくらい怖いか、教えたらんとな」

しかしながら、代紋を失って後ろ盾のない桑原。そういった事情もあって本作では大立ち回りも気持ち控え目に見えました。

やや慎重に事を進める頭脳派?な疫病神が今までシリーズとは違って少し新鮮。話のオチについては、まあ、そうなるよねという感じですが貴重な桑原の堅気時代?を楽しむことができる本作も面白かったです。

⑦泥濘(ぬかるみ)

今回の相手はNPO法人「警慈会」を運営する警察OB。また面倒くさい奴らを相手に選んだもんだと感心。

老人ホームを運営する「警慈会」とつるみ、オレ詐欺で全国のおじいちゃんおばあちゃんから金を巻き上げる白姚会の木崎のやり口には呆れたもの。しかし、ヤクザもなりふり構ってられない時代?なのかもしれません。

桑原さんはイケイケ全開で怖いものなしに首を突っ込んでいきます。

「要求が多いな。二蝶会の桑原は」

「注文の多いヤクザ屋さんや。わしはそれで代紋を引っ張ってきた」

注文しまくったことで最後のオチとなります。

ちなみに、本の帯に思いっきり書いているのでその部分については驚きもなく残念なところ。でも、それを含めても楽しめたので良しとしたい。

次回作も期待してます。